
嵐山辨慶は初代が1969年に創業してから50年を迎える、親子3代で受け継いできた料理旅館です。近年、京都・嵐山は世界中の人々が訪れる観光地となりました。そんな中、渡月橋を目の前にした風情あるロケーション、四季折々の旬を取り入れた懐石料理、伝統ある旅館でありながら家族のように温かみのあるおもてなしがみなさまの口コミで広がり、年間100組以上...のお客様にお越しいただいております。私たちは伝統を守りながらも、常に時代の変化を感じ取り、旅館として進化してきました。嵐山辨慶では、8割以上のお客様が海外からいらっしゃいますので、よりいっそう国際感覚に磨きをかけて、これからも多くのお客様に最高のサービスを提供したいと考えています。
旅館業界のいま
全国の旅館を見てみると、1980年にピークを迎えて施設数8万軒以上であったのが、2018年のデータでは半数以下の4万軒を下回っています。一方でホテルは増加を続け、旅館とホテルの合計数のうち約2割を占めるまでになっています。このような現状の中で、いかに旅館という日本固有の文化を守っていくかが重要な課題となっています。
それに加え、旅館業界は人手不足が深刻化しており、長時間労働を是とする旧態依然とした考え方や、独特の労働慣習にとらわれていることも、これからの時代向き合っていかなければならない問題とされています。
働き方改革のきっかけ
働き方改革のきっかけ
きっかけは自社サイトでの予約数が、旅行会社経由での予約数を大幅に上回ったことです。その利益はいつも頑張ってくれているスタッフに還元したい。そしてこれを機に、通年休みなしで営業するのが当たり前とされてきた業界ならではの常識を変えて、長く安心して働いてもらえる環境にしていきたいと思ったことがきっかけです。
創業のきっかけは?
嵐山辨慶は、1969年に創業してから約50年、料理旅館としての道を歩んできました。私は生まれも育ちも兵庫県・城崎なのですが、あるとき初代である父・磯橋祐吉が、ご縁があって現在の嵐山辨慶の建つ土地を譲り受けたことから始まります。ちょうど同じ年に私が結婚しまして、夫婦で嵐山に移り住みました。そして父、母、私たち夫婦で料理旅館「嵐山辨慶」を開業しました。
どのような時代だったのですか?
当時は高度経済成長期で、自動車が当たり前に走るようになり、ここ嵐山は観光地として栄え始めたころで、外国人の観光客は皆無でしたね。この時はまだまだ旅館としても手探り状態でした。喫茶店を隣接していたこともありましたし、試行錯誤を繰り返していました。
そうして経験を積みながら、旅館として経営も軌道に乗ってきた1989年のことです。館の大規模な改装をしたことがきっかけで、より多くのお客様に来ていただけるようになりました。そして、嵐山辨慶という場所で特別な時間を過ごしていただくために何ができるだろう?と提供するサービスの改革も徐々に行い、旅館としての価値を高めることに注力し始めたのです。
まずはお料理。非日常を感じていただくための演出が必要だと思い、季節感を出すため蓮の葉をお料理と一緒に盛りつけたり、ドライアイスを使って涼しげに見せる工夫をしたり。そして人事面も。当時は新卒の若い子たちが旅館で働くことは珍しかったのですが、一度アルバイトを募集した際にすごく頑張ってくれる子がいて、お客様にも喜ばれたことがありました。だから思い切って若い世代の方をイチから教育してみようと試みまして、それに付随して寮も建設しました。結果は大成功でしたね。お料理の演出も、新しいスタッフを入れたことも顧客満足に繋がり、この挑戦は間違いではなかったと思いました。
私は城崎出身ですから、温泉というものは身近にありました。嵐山にも温泉があったらどうだろう?という思いもずっとあって。日本の文化・歴史により濃く反映し、影響を与えた京都の風土。そんな京都に温泉があったら、もっと観光地として盛り上げることができるのではないかという想いを人に話したことがきっかけで、地元の方々含め多くの方の出資を得ることができました。そうして、宮津のほうで温泉の仕組みなどを学び、掘削も無事に成功して2004年には念願であった嵐山温泉の開湯を実現することができました。今では世界中の人々が嵐山に訪れるようになり、よりいっそうの地域の活性化のためにも、嵐山温泉をしっかり守っていきたいと感じています。
1909. | 現・渡月橋の先代にあたる木橋を架橋 |
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1912. | 料亭旅館「嵐山辨慶」の前身となる、高級料亭「洗心亭」花の家が開業 |
1928. | 嵐山に阪急電車が乗り入れ |
1934. | 現在の渡月橋を架橋 |
1969. |
初代・磯橋祐吉氏の所有になったことから、地元である兵庫県城崎から嵐山に 料亭旅館「嵐山辨慶」 創業(当時は「洗心亭」嵐山辨慶という名前を受け継いでいた) |
1989. |
大規模な館の改装を行ったことで収益が倍に (この頃から徐々に旅館としての格式を確かなものにするため改革を進められる) |
1991. | 社員寮 建築 |
若手の求人募集(当時の老舗旅館業としては革新的であった) | |
2004. | 嵐山温泉 開湯 |
2015. | インバウンドへの取り組みを始める |
2017. | 嵐山辨慶 別邸 増設 |
トリップアドバイザー トラベラーズチョイス2017 受賞 | |
京都市より「平成29年京都らしい宿泊施設表彰」 受賞 | |
2018. | トリップアドバイザー トラベラーズチョイス2018 連続受賞 |
どこへ行っても通用する接客・マナースキルが身につきます。
感動を与える
人に対する接しを学ぶことで、あなたの人間的魅力も上がるはずです。
こころを通わせる
旅館を通して京都文化を学ぶこと、それは貴重な経験となるでしょう。
歴史に触れる
留学経験や母国語を活かして国内外からのお客様におもてなしすることで、さらなるスキルアップにつなげます。
国際感覚を高める